薬剤師の退職金の相場はどのくらい？老後に備える方法も解説します！

薬剤師として働いている方の中には「退職金はどのくらいもらえるのだろう？」と疑問に感じている人も多いのではないでしょうか。

退職金は老後資金に直結するため、働く職場によってどの程度の金額が支給されるのかを把握しておくことは非常に重要です。

病院、調剤薬局、ドラッグストアなど勤務先によって金額に差があるほか、勤務年数や役職、企業の退職金制度の有無によっても大きく変わります。

本記事では薬剤師の退職金の相場を分かりやすく解説するとともに、老後に備えるためにできる具体的な方法についても紹介していきます。

薬剤師の退職金の相場はどのくらい？

薬剤師の退職金の相場は、勤務先の種類や規模によって大きな差があります。

一般的に、私立病院や大手企業が運営するドラッグストアチェーンは退職金制度が整備されていることが多い一方、個人経営の調剤薬局では退職金制度がない、あるいはわずかな金額にとどまる場合もあります。

日本の平均的な退職金の水準は、大卒で35年以上勤続した場合、2,000万円前後といわれていますが、薬剤師の場合は「病院勤務」で1,000〜1,500万円程度、「調剤薬局」で500〜1,000万円程度、「ドラッグストア」では300〜800万円程度が目安となります。

特に薬局業界は中小規模の企業が多いため、退職金の有無や金額は事前に確認しておくことが大切です。

病院勤務の薬剤師の退職金

病院勤務の薬剤師は、比較的退職金が安定しているといわれています。特に公立病院や大規模な私立病院では、公務員や大企業並みの退職金制度が整っており、長期勤続すれば1,000万円を超える金額を受け取れるケースもあります。これは医療機関として安定した経営基盤があることに加え、人材を長期的に確保する目的も含まれています。一方、中小規模の病院では制度が整っていない場合もあり、数百万円にとどまるケースもあるため注意が必要です。

調剤薬局勤務の薬剤師の退職金

調剤薬局で働く薬剤師は、退職金に大きな差が出やすいのが特徴です。大手チェーン薬局では制度が整っており、勤続20年以上で数百万円〜1,000万円程度が期待できますが、個人経営の薬局では退職金制度が存在しない場合も少なくありません。そのため、転職や就職を考える際には「退職金制度の有無」を事前に確認することが非常に重要です。給与が高くても退職金がない場合、老後の資金準備に影響が出る可能性があります。

ドラッグストア勤務の薬剤師の退職金

ドラッグストア勤務の場合、企業によって退職金制度の差が大きく出ます。大手のドラッグストアチェーンでは確定給付年金や企業型確定拠出年金といった制度を導入していることが多く、数百万円規模の退職金が見込めます。しかし、中小のドラッグストアや地域密着型の店舗では退職金がほとんど支給されないケースもあります。給与水準は比較的高めですが、退職金や老後資金の準備は自己責任となることが多いため、若いうちから備えておくことが大切です。

公務員薬剤師の退職金

公務員として働く薬剤師（保健所、国立病院機構など）は、退職金が最も安定している職場の一つです。国家公務員や地方公務員の退職金制度に基づいて支給されるため、勤続35年以上の場合は2,000万円近い金額を受け取れることもあります。安定性を重視する方にとっては、公務員薬剤師は退職後の生活設計を立てやすい職場といえるでしょう。

退職金が少ない薬剤師が老後に備える方法

薬剤師の中には「勤務先に退職金制度がない」「思ったより退職金が少なかった」という人も少なくありません。

そのため、退職金だけに頼らず、自分自身で老後資金を準備していく必要があります。

老後に備える方法としては「iDeCo（個人型確定拠出年金）」や「つみたてNISA」などの税制優遇制度を活用す

るのがおすすめです。これらを活用すれば、積立による資産形成を行いながら、節税効果も得られます。

また、退職金が少ないことを見越して、転職の際に企業型DC（確定拠出年金）や企業年金制度があるかどうかを確認することもポイントです。

iDeCoを活用する

iDeCo（個人型確定拠出年金）は、自分で積み立てた掛金を60歳以降に年金または一時金として受け取れる制度です。掛金は全額所得控除の対象となり、運用益も非課税となるため、税制上のメリットが非常に大きいのが特徴です。薬剤師のように安定した収入がある職種では、老後資金を効率的に準備できる手段として非常に有効です。

つみたてNISAを利用する

つみたてNISAは、少額からコツコツと投資信託を積み立てていける制度で、20年間の運用益が非課税になる仕組みです。退職金が少ない場合でも、現役時代からつみたてNISAを利用して資産を積み上げていけば、老後資金の不足分を補うことができます。特に、薬剤師は正社員で安定した収入を得ているケースが多いため、積立を継続しやすい点もメリットです。

転職時に福利厚生を確認する

退職金を含む福利厚生は、転職活動時に必ず確認しておきたいポイントです。給与額だけで判断するのではなく、退職金制度の有無や企業年金の有無を確認することで、将来の安心度が大きく変わります。たとえば、給与が多少低めでも、退職金や企業年金制度がしっかりしている企業を選ぶ方が、結果的に老後の安心につながるケースも多いのです。

まとめ

薬剤師の退職金は、勤務先や勤務年数によって大きく異なります。

病院や公務員薬剤師は比較的安定した退職金が見込める一方、調剤薬局やドラッグストアでは退職金が少ない、あるいは制度自体がないケースもあります。

そのため、退職金だけに頼らず、iDeCoやつみたてNISAといった制度を活用して自分自身で老後資金を準備していくことが大切です。

転職や就職を検討する際には給与額だけでなく「退職金制度の有無」を確認することが重要な判断材料となります。

老後に安心して暮らすためには、現役時代からの備えが欠かせません。

薬剤師としてのキャリアを築くと同時に、将来の資金計画もしっかりと立てておくことが求められます。