【体験談】薬剤師でダブルワークをするとどんな生活になる？

近年、薬剤師の働き方も多様化しており、1つの職場だけでなく複数の仕事を掛け持つ「ダブルワーク」を選択する人が増えています。

収入を増やしたい、スキルを広げたい、環境を変えてリフレッシュしたいなど、その理由は人それぞれです。

しかし、ダブルワークにはメリットだけでなくデメリットもあり、生活リズムや体力面での工夫が欠かせません。

本記事では薬剤師がダブルワークをする際のメリット・デメリット、さらに実際の体験談を交えながら、どんな生活になるのかをわかりやすく紹介します。

薬剤師でダブルワークをするメリット

薬剤師がダブルワークをする背景には、経済的な理由や自己実現への思い、働き方改革の浸透などが関係しています。

メリットを理解することで、自分にとって本当に挑戦する価値があるかを見極められます。

収入を増やせる

最もわかりやすいメリットは、収入が増える点です。薬剤師はパートや派遣、副業案件が比較的多いため、本業に加えて週末や夜間に働くことで月収を数万円から十数万円上乗せできます。特に住宅ローンや教育費など大きな出費を抱える人にとって、ダブルワークは経済的安心につながります。

スキルや知識の幅が広がる

ダブルワークをすると、普段の職場では得られない経験を積むことができます。例えば病院薬剤師が調剤薬局で働けば外来患者の対応力が身につき、逆に調剤薬局勤務の薬剤師がドラッグストアや在宅で働けば臨床現場に近い視点を学べます。複数の現場を経験することはキャリアの幅を広げる大きな武器になります。

気分転換や人間関係のリフレッシュになる

一つの職場に長くいると人間関係や業務内容にストレスを感じやすくなります。ダブルワークによって異なる環境で働くことで気分が切り替わり、人間関係の幅も広がります。結果的に本業へのモチベーション維持にもつながります。

将来の転職や独立に役立つ

副業先で得たスキルや人脈は、将来のキャリアチェンジや独立にも活かせます。例えば在宅医療の現場で学んだ経験があれば、地域包括ケアに力を入れる薬局への転職に有利になるでしょう。

薬剤師でダブルワークをするデメリット

一方で、メリットばかりに注目してダブルワークを始めると体力的・精神的に追い込まれてしまうこともあります。

事前にデメリットを理解し、対策を考えることが必要です。

体力面で負担が大きい

薬剤師の仕事は立ちっぱなしで集中力を要するため、本業だけでも疲労が蓄積します。そこに副業を加えると休息の時間が減り、慢性的な疲労や体調不良につながる可能性があります。特に夜間や休日のシフトを組み込むと生活リズムが乱れやすいため注意が必要です。

プライベートの時間が減る

ダブルワークをすると当然ながら自由時間は減ります。趣味や家族との時間を削ることになり、人によってはストレスがかえって増えるケースもあります。「収入は増えたけれど心の余裕がなくなった」と感じる人も少なくありません。

本業に支障が出る可能性

副業での疲れや時間的制約が、本業のパフォーマンス低下につながるリスクもあります。薬剤師は医療安全に直結する職種のため、注意力が散漫になることは大きな問題です。副業を優先して本業がおろそかにならないよう、バランスをとることが重要です。

副業禁止規定に違反する可能性

勤務先によっては就業規則で副業が禁止されている場合があります。無断でダブルワークをすると懲戒対象になる恐れもあるため、事前に規定を確認することは必須です。

薬剤師のダブルワーク体験談（仕事の組合せ別）

実際にダブルワークをしている薬剤師の生活はどのようなものなのでしょうか。

仕事の組み合わせによって、メリットや苦労のポイントは変わってきます。

調剤薬局＋ドラッグストア

平日は調剤薬局で働き、土日はドラッグストアに勤務するケースです。調剤薬局で得た知識をOTC販売に活かせるため、双方のスキルアップにつながります。ただし、接客時間が長くなる分、体力的な疲労は大きめです。

病院＋在宅医療（訪問薬剤師）

病院勤務を続けながら、休日や夕方に在宅医療に関わるパターンです。臨床での経験を在宅に応用できるためやりがいが大きく、患者さんや家族に直接貢献できる喜びも得られます。しかし移動時間が負担になることや、緊急対応が入ると生活リズムが崩れることもあります。

調剤薬局＋派遣（スポット勤務）

週に数回スポット派遣で働く薬剤師もいます。空いた時間を活用でき、収入面のメリットが大きいのが特徴です。派遣先ごとに業務フローが異なるため、柔軟な対応力が鍛えられますが、新しい環境に慣れるストレスも伴います。

調剤薬局＋オンライン業務（執筆や監修）

近年はオンラインでできる仕事を副業に選ぶ薬剤師も増えています。医療記事の執筆や監修、オンライン服薬指導など、場所を選ばずにできる点が魅力です。体力的負担が少なく、本業と両立しやすい一方で、報酬は時給換算すると低めになることもあります。

まとめ

薬剤師がダブルワークをすることは、収入アップやスキル拡大、人間関係のリフレッシュなど多くのメリットがあります。

しかし一方で、体力的・精神的負担や本業への影響、就業規則の制約などデメリットも存在します。

実際の体験談を見ても、組み合わせ次第で得られるものも苦労も大きく変わります。

大切なのは「なぜダブルワークをするのか」という目的を明確にし、無理のない範囲で働き方をデザインすることです。

自分のライフスタイルや将来のキャリアに合った選択をすれば、ダブルワークは薬剤師にとって新しい可能性を広げる有効な手段となるでしょう。